5/01/2015

憧れの豪華客船「飛鳥Ⅱ」の船旅に参加して

旅行会社に勤務していながら、自分が豪華クルーズ船に乗ろうなど、お恥ずかしい話、一度も考えた事がありませんでした。昨年夏に日本の母から突然メールが届き、2015年の飛鳥Ⅱの世界一周クルーズに参加するので一緒に行こうと。まさか104日間も仕事を休む事は出来ませんが、一部分だけ参加することも出来るらしい(最低7泊)ということだけは確認しました。それから何か月かの間ほとんど何も考えることなく時間が過ぎたのですが今年の2月についに決心、人生初のクルーズの旅を日本船「飛鳥Ⅱ」で体験してみる事にしました。色々考えた結果、区間はスタートの横浜から7日後のシンガポールまでとしました。

 いよいよ出発の日、横浜港の最寄りは日本大通りという聞いたことも無い駅。横浜には不慣れなため、路線を綿密に下調べして、一人で東京千駄木の自宅を出ました。母が横浜での前夜祭からの参加だったからです。駅から港までは徒歩10分位、小粒の雨が降り始め、海風ビル風の中、大きく重い荷物を引っ張って必死に大桟橋を目指しました。
簡単なチェックインの後、思いのほかあっさり船内へ。映画「タイタニック」で見たような光景が目の前に現れました。
その後すぐに出発のセレモニー。乗客は全員デッキに出て見送りの人たちに手を振りました。紙テープも舞い、出航の午後12時は歓喜のピークとなりました。
どこかの船は放水で飛鳥Ⅱの出航を祝ってくれました。

 104日間もの長い船旅、乗客を退屈させないために様々なイベントが企画されています。映画やカジノ(換金不可)、手品ショーをはじめとして、日本船ならではの落語や漫才まで。私が乗船した区間は、声帯模写で有名な江戸屋猫八さんのステージがありました。鳥や動物、昆虫の鳴き真似と軽妙なトークは、時の経つのを忘れさせるほどでした。さらに専属のカメラマンによる「上手な写真の撮り方講座」が開催されており、素人の私でも綺麗な写真が撮れるようになりました。

船内で共同生活が始まると、何人もの乗客と顔見知りになり、話をする機会が増えてきます。今回は母が発起人となって「思い出の歌・日本の歌同好会」として友達を募集、18名集まり「海は広いな大きいな」や「赤い靴履いてた女の子」を合唱していました。

 日本船に乗る理由は食事の良さにもあると、誰もが口を揃えて言います。朝昼晩ご馳走が続きますが、毎日、日本食が食べられるので胃腸に優しい食生活が送れます。

食事やひとつのイベントが終わると部屋に戻りますが、海の上でも巨人阪神戦や、大好きな映画「STATION」の有名なシーンも見ることが出来ました。
倍賞千恵子が口ずさむのは「舟歌」です。
 飛行機の個人モニター同様にナビゲーションで船の現在地を見ることも出来ます。

 船室には、すべてバスタブとトイレが備え付けられています。けれども、最上階にサウナ付きの大浴場があるので、結局私は部屋のお風呂を使うことはありませんでした。大浴場からの見晴らしは素晴らしいものです。この大浴場も日本船を選ぶ理由のひとつのようです。カメラを持ち込める場所ではないので、そこから見る大海原の写真を写せなかったのが残念です。
平均時速35キロ、横浜を出て丸二日で沖縄の西まで来ました。この辺りでは携帯電話の電波が繋がるようで、デッキでは電話をする人々の姿がありました。その後丸1日かけて台湾沖、2日位かかってフィリピン沖を通過します。最初の寄港地シンガポールまではあと二日です。寄港地が近づくとだんだん回りに船が増えてきます。

 7泊8日の航海も1泊を残すだけとなりました。いつものように午前中はカメラ教室、午後は映画、その後ジム、お風呂、夕食で、あっという間に夜になってしまいました。江戸屋猫八さんの2回目のショーを楽しみ、南国の夜空に輝く南十字星を鑑賞しました。この辺りは海賊が出没する危険性があるらしく、夜8時位からはデッキに出ることが出来ませんでした。部屋の施錠もしっかり確認し、就寝しました。

 眠りから覚めると回りは船だらけ、遠くにシンガポールも見え始め、だんだん近づいてきます。同時にもうすぐ船を下りて現実に戻らなければならない複雑な気持ちも湧いてきます。到着はお昼の12時です。11時頃に水先案内人が飛鳥Ⅱに乗り込み、接岸まで操舵します。最後に船はUターンし、バックで進行、ゆっくりゆっくりシンガポール港に接岸しました。

シンガポールでは蒸し暑い中、国立蘭園とマリーナベイを観光。夕方もう一度飛鳥Ⅱに戻り、最後の食事を取った後、本当の最後のお別れとなりした。

 夢のような1週間が過ぎ去り、すでに仕事を始めております。飛鳥Ⅱは今ごろどの辺りを航海中だろうか、シンガポールからはどんな新しい芸人さんが乗船したのだろうか、などと色々気になります。自分からクルーズに参加しようと思い立ったのではありませんから、母から声が掛からなければおそらく一生乗ることはなかったと思います。とても貴重な体験が出来ましたが、一度乗ってしまった今では20年後にはきっとやみつきになっているだろうと思います。

 これから夏の里帰りシーズン。7~9月に2泊~11泊のクルーズがいくつも企画されています。花火クルーズや夏祭りクルーズなど、お子様でもお楽しみいただけるプログラムになっておりますので、ご興味のある方は是非IACEトラベルのクルーズ課までお問い合わせ下さい。

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