9月に里帰りをした際にアルペンルートの観光をしてきました。
アルペンルートは長野県と富山県の県境にある北アルプスを観光しながら通り抜ける事が出来る観光ルートです。
具体的には、 長野県側の扇沢駅と富山県側の立山駅の間が様々な交通手段で結ば れて居るのですが、このルートには黒部ダムや標高3000m級の峰が連なる北アルプ スがあり、風光明媚な景色が楽しめる人気の観光ルートになっています。
冬場は通り抜ける事が出来ませんので観光シーズンは春から秋に掛 けてとなりますが、季節によって様々な景色を楽しむことが出来ます。
この日の観光は長野駅からスタートです。
前夜は長野駅近くのホテルに前泊しました。
まずは長野駅からタクシーで信濃大町駅まで、1時間ほどで到着。
電車でも来れますが、電車では2時間近く掛かります。
バスでも来れますが、 今回は人数も居ましたのでタクシーにしました。
アルペンルートは大きな荷物を持って通ることが出来ませんので、信濃大町駅では手荷物以外の大きな荷物を預けます。
ここで預けた荷物はアルペンルートの反対側の立山駅にて受け取り となります。
再びタクシーに乗り、扇沢駅まで30分ほどで移動しました。
長野駅にも荷物の回送サービスを行っているカウンターがあり、長野駅で荷物を預けた場合は信濃大町駅に立ち寄る必要はありませ ん。
また長野駅から扇沢駅まで直通のバス(所要1時間40分、 2600円)もありますので状況に応じて便利なサービスを利用可能です。
ともかく、扇沢駅に到着。
扇沢駅に到着
扇沢駅にてアルペンルートの片道チケットを購入。
扇沢駅からの観光所要時間の案内板
扇沢駅からの価格表
今回購入したチケットは立山駅までで、大人1人¥8,290。
値段はそこそこしますが、 様々な乗り物自体も楽しめるアトラクションの様なもので、途中に見ることの出来る景色なども考えると安いものだと思います 。
関電トロリーバスにて扇沢駅を出発
1964年の開通以来、 トロリーバスがこのトンネルを走り続けて来ましたが、先日11/ 30をもって関電トロリーバス最後の運行となりました。
来春4月の再開時からは電気バスが変わって運行を開始します。
因みにトロリーバスはバスの形をしていますが、 法的には電車の扱いとなり、運転手は鉄道の免許を持っているそうです。
トンネルの途中で反対側からのバスとすれ違います
このトンネルの途中、破砕帯という場所を通過します。
この破砕帯はトンネル工事中に多量の水と土砂が噴出した場所で、80mの区間を掘り進めるのに7ヶ月も掛かったそうです。
1日あたり40cmも進まなかった計算です。
この難工事の様子は石原裕次郎の映画『黒部の太陽』( 1968年公開)でも描かれました。
トンネル内の破砕帯の区間は青いライトで照らされています。
約16分間の乗車で黒部ダム駅に到着です。
黒部ダムに到着!
ダムに着いたら早速ダムの内側(湖側)を覗き込み、 規模の大きさに驚きました。
次に外側を眺めに展望デッキへ移動しましたが、 デッキからの様子は圧巻です。
6月末から11月中旬までは観光放水が行われています
ダムからの放水を眺めることも出来、 大迫力の様子を見ることが出来ました。
50年以上も前の建設時の大変さも展示物などからも見ることが出 来、この黒部ダムの凄さを知ることが出来ました。
徒歩にてダムを渡ります
この辺りから下を見下ろすと恐ろしく遠くに川の底が見えました
徒歩でダムを渡り、次はケーブルカーに乗り込みます。
ケーブルカーで黒部平駅まで800m、 高低差373mを移動です。
黒部平では殆んど時間が無く、 直ぐにロープウェイに乗り継ぎました。
時間があれば高山植物が見れる黒部平庭園があるそうですので、 ここはまた次回の楽しみに残して置きます。
改札を受けてロープウェイに乗ります
立山のロープウェイはワンスパンロープウェイと呼ばれ、 出発から到着地点まで途中に1本の支柱もないロープウェイです。
途中ですれ違いました
その距離は1.7kmもあります。
支柱がない理由は、雪崩により支柱が流されない為だそうです。
大観峰の展望デッキから見下ろしたロープウェイ
ロープウェイに乗って約7分間、 空中からのパノラマの景色を楽しみました。
標高1828mの黒部平から一気に500m近く高度を上げ、 到着したのは標高2316mにある大観峰。
ロープウェイを下りたら54段の階段を登って展望デッキへ。
酸素も薄いためか、いや、恐らく運動不足のせいで息が弾みます。
黒部ダムが堰き止めて作った黒部湖がエメラルドグリーン色に輝い ていました
展望デッキからの大パノラマは圧巻です。
写真でもそこそこ伝わると思いますが、 一度はここへ行って見て欲しい景色です。
ここからの景色はアルペンルートでも屈指の美しい景色です。
大観峰で大パノラマを楽しんだ後は再びトロリーバスで室堂へ。
こちらの立山トンネルトロリーバスは前述の関電トロリーバスが廃 止された為、現在日本国内に唯一残されたトロリーバスとなっています。
こちらのトロリーバスは今のとろこは廃止などの予定は無いそうで す。
室堂はアルペンルートで最も標高の高い標高2450mに位置して おり、トロリーバスが鉄道の扱いとなっている事もあり、 日本で最も標高の高い駅です。
室堂にはホテル、レストラン、カフェ、お土産屋などがあり、 また周辺には整備された
ハイキングコースが沢山ありますので、 予定には十分に時間を設けて置く事をお勧めします。
今回はここで昼食を食べました。
高地のレストランでもっと簡単な食事を想像していましたが、 とても美味しく驚きました。
食後は周辺の散策をしました
ホテル立山の外観
みくりが池
みくりが池は過去の火山活動で出来たカルデラ湖です。
9月でしたが湖岸に残雪も見られました。
上の写真の建物の方に室堂の名前の由来になっている場所があると の事で行って見る事に。
こちらが日本最古の山小屋の室堂で、江戸時代に建てられました。
もともとはこの地で修業をする際の宿泊や祈祷を行った場所だそう で、その後立山を訪れる宗教登山者の宿泊地として利用されました。
この建物が建てられたのは1726年ですが、 更にその400年以上前からこれと同じ様な初代の室堂があったそうです。
室堂ステーションからは徒歩で10分程ですが、 是非訪れて置きたい場所です。
この時期は見れませんでしたが、 4月の開通から6月頃までは室堂の前に下の写真のような雪の大谷が現れます。
春の開通直後の雪の大谷ウォークの様子。写真提供: 立山黒部貫光㈱
春先の室堂には雪の大谷の他にも雪の巨大迷路、巨大かまくら、滑り台など雪の季節にしか無い楽しみもあるそうなので次回は雪の季節に行ってみたいと思いました。
室堂での観光を終え、立山高原バスに乗って美女平へ向かいます。
バスは新しく快適で、 各座席にUSBの充電ポートもついていました。
車内のモニターで流されていた案内ビデオは日本語&英語でした。
途中、称名滝と言う日本一の落差(350m) がある滝も見れましたが、バスの座席はできれば前寄りの右側の座席をお勧めします!
高原バスの移動時間は約50分間でしたが、 綺麗な景色を眺めながらであっという間に美女平に到着です。
バスを降りたこの辺りは美女平と呼ばれる場所で、 立山杉という大きな杉が群生しています。
幾つかの大きな杉にはそれぞれ名前が付けられていました。
バス停の建物(ケーブルカーの美女平駅)の前に『美女杉』 がありますが、徒歩で1分ほどの所にある『出迎え杉』 と言う杉も見に行きました。
林の中に一歩足を踏み入れるとマイナスイオンに包まれ、とても美味しい空気が味わえました。
この辺りには約1時間、約2時間、 約3時間のハイキングコースもあり、時間があれば杉やブナの巨木巡りもしてみたいと思いました。
美女平駅からの眺め
この旅の前半に見た大観峰からの景色とは全く違った山の景色が楽 しめました。
美女平からはケーブルカーに乗って約7分で立山駅です。
立山駅前にある案内センターに立ち寄り、 朝預けたスーツケースを受け取り、アルペンルート観光もここで終了となりました。
私たちは立山駅からはタクシーで移動をしましたが、 富山駅までの場合は電車でも行けます。
子供の頃から黒部ダムは勿論の事、室堂、 美女平などの地名は聞いた事がありましたがどんな場所かは良く知りませんでした。
今回初めてこの地を訪れましたが、 こんなに素晴らしい場所だとは思っても居ませんでした。
多少の階段の登り降りはありましたが、 それ以外は様々な乗り物で楽に運んでくれます。
またそれぞれの場所で全く違う景色を見せてくれましたので最初から最後まで全く飽きずに楽しめました。
季節も違えば更に違った世界を見る事も出来ますので何度も訪れた い場所だと思いました。
里帰りの際に機会があれば是非立山黒部アルペンルートを訪れて見 て下さい!
チケットや宿の手配は最寄りの支店までお問い合わせください。
予約センターYM
[ ご案内 ]
* アルペンルートの全線開通期間は4月15日から11月30日まで です。
* アルペンルートの全線開通期間は4月15日から11月30日まで
* 4月上旬から4月14日までは部分開通です。
* 開通直後からゴールデンウィークが明けるまではかなり混雑します ので、お勧めは5月後半以降の平日になります。
* 黒部ダムの観光放水は6月上旬から10月中旬までです。
* その他、 アルペンルートの観光の見所などはオフィシャルサイトをご覧くだ さい。
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※ ご注意: この周遊きっぷは日本以外のパスポートで観光目的で入国し、 短期滞在のスタンプが押された方しかご利用頂けません。
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